20代の労働組合の「専従スタッフ」たちが、非正規が多い飲食業界の働き手の支援に熱心に取り組んでいます。自分の親ほど年齢の離れた年上の組合員たちの相談を受け止めながら、ともに団体交渉に臨み、成果につなげています。なぜ労組にのめり込み、どんな思いで活動しているのでしょうか。
拡大する
「会社と敵対するつもりはありません」
東京・霞が関の厚生労働省の記者会見室。4月17日、大勢の報道陣がみつめる前で、マスク姿の栗原耕平さん(24)は、落ち着いた様子で団体交渉の成果を報告した。
「富士そば側から、全額の休業補償をおこなうと回答がありました」
首都圏を中心にチェーン展開する「名代 富士そば」で働くアルバイトの50代男性は、新型コロナ対策の営業自粛で勤務シフトを減らされたのに、賃金の補償がなかった。個人で入れる労組「飲食店ユニオン」に相談したところ、スタッフの栗原さんらのサポートを得て、運営会社との団体交渉にこぎ着けた。
栗原さんは、雇用を守った企業に出る国の助成金を使えば、休業補償をする会社の費用負担は大きく減らせると提案。申し入れの翌日に、会社側から全額補償の回答を得た。単に補償を求めるのではなく、制度になじみのない経営者には国に代わって詳しく説明し、活用を勧める「提案型」の交渉を心がけている。会見では、こう訴えた。
「団交、ビラ配り、街宣活動……。労働者のために徹底的に闘う姿勢が熱かった」。飲食店ユニオンの尾林哲矢さん(22)は労組にのめり込んだ理由を語ります。後半で詳しくお伝えします。
「我々は、会社と敵対するつも…
980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment