動物の幸せを優先した飼育施設を整え、種の保存、環境教育の場として動物園を積極的に役立てようと、全国に先駆けて制定をめざす札幌市動物園条例の内容がほぼまとまった。市民らの代表や有識者でつくる市民動物園会議で協議され、近く市に提言される。法令上、動物園の社会的役割や動物福祉の考え方などを初めて定義した画期的な内容となっている。
条例に関する提言内容について審議する市民動物園会議が10月28日に、円山動物園で開かれた。動物園条例の制定は市長公約でもあり、同会議の専門部会として、動物、環境、法律の専門家や市民委員からなる動物園条例検討部会が、年9回の会議を開き、盛り込む内容や条文について討議してきた。
開設当初は癒やしや娯楽が目的とされてきた動物園を、将来に向けた生物多様性の保全のための科学的な施設として位置付けた。動物の暮らしや繁殖に十分に配慮して飼育し、環境教育にも重きを置くとした。
動物園は生物多様性の保全のため、動物収集、調査研究、種の保存、生息域内保全、展示・教育などを実施。累代飼育の目標も掲げ、少なくとも三世代の繁殖を実現する。取り組み向上のために基金を設けることも提案している。
第三者機関の動物福祉委員会の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル