学校や社会で「包括的性教育」を推進していくための法律を制定しようと、性教育を実践している教員や研究者らがこの秋、ネットワークを立ち上げた。国が責任を持って性教育を進め、学校現場の実践を広げるためにも、法整備が必要だという。
「子どもや若者が暮らしやすい、笑顔でいられる日本をつくりたい。そう思って、ネットワークを立ち上げました」
11月下旬、東京都千代田区で開かれた、「包括的性教育推進法の制定をめざすネットワーク」の立ち上げ集会。ネットワーク事務局長を務める浅井春夫・立教大名誉教授はそうあいさつした。
包括的性教育とは、人権尊重を基盤に幅広く、科学的根拠に基づいて性を学ぶ教育のこと。ユネスコ(国連教育科学文化機関)などが作成した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」(2018年改訂版)でも、包括的性教育という考えを前面に打ち出し、項目ごとに各年齢で学ぶべき目標などを系統立てて示している。
浅井さんは、その翻訳にも携わった。「包括的性教育は、子どもや若者が人生で直面する性行動に、賢明な判断をするために必要な学びだ」と語る。
しかし、なぜ法律が必要なのか。背景には、いまの日本の学校教育で、きちんとした性教育が行われていないという危機感がある。
日本の小中学校の学習指導要…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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