東京都や周辺県のスーパーでは、水やカップ麺などの飲食料品が売れ、一部が品薄になっている。不安を感じた消費者が買いだめに走ったためだ。
東京都中央区のあるスーパーは26日、一時は入場制限がかけられるほど混雑し、店の外にも10人以上の列ができた。
ネギや精肉を買った男性(66)は「20分ほど待ってやっと買えた。まさか、こんなことになるとは」。近所の小売店では精肉や野菜が品薄で、この店は3店目という。
流通大手イオンの首都圏の店でも、水などの飲み物や保存期間が長い商品が一気に売れており、「大型台風が来る前のような状況」と広報担当者は話す。
商品の仕入れに滞りはなく、普段より多めに仕入れて対応していくという。
業界団体や政府は、十分な食糧は確保しているとして「冷静な買い物」を呼びかけた。
大手スーパーなどでつくる日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は「瞬間的な需要増で棚が空になることはあるが、生産も物流も止まっていない。冷静な買い物をしてもらえれば、普段通りに戻る」と話す。
江藤拓農林水産相は26日夕、省内の新型コロナウイルスの対策本部で「食料については、安定的な供給体制は全く揺らいでおらず、十分な供給量が確保されているので、買いだめ、買い急ぎは必要ありません」と話した。
農水省は先立つ25日、大手スーパーなどでつくる日本チェーンストア協会やコメの卸売業者などに食料の円滑な供給を求めた。コメの在庫と備蓄は6・2カ月分、外国産小麦の備蓄は2・3カ月分あるという。(土居新平、大日向寛文、荻原千明)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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