米国から大麻を密輸したとして大麻取締法違反と関税法違反の罪で起訴された元五輪代表のプロスノーボーダー・国母和宏被告(31)=北海道千歳市=の共犯者で、両罪に問われた元スノーボーダーの戸田聖輝被告(30)の初公判が6日、東京地裁(野澤晃一裁判官)で開かれた。
即日結審し、懲役3年が求刑された。戸田被告は、国母被告と共謀した理由について「(大麻を)『半分あげる』と言われたから」と説明。さらに、取り調べでは当初、国母被告をかばって罪を一人でかぶろうとしていたことも明らかになった。判決は今月16日に言い渡される。
国母被告の後輩だった共犯者の戸田被告は、“甘い言葉”で誘われ密輸に手を染めていたことが明らかになった。
坊主頭に紺色のスーツで出廷した戸田被告は、容疑について「間違いありません」と認めた。国母被告と共謀して昨年12月17日(現地時間)に自らの自宅を送付先として米国から大麻ワックス57・755グラムを国際スピード郵便で発送し、同31日に成田空港に到着させて密輸したとされ、今年10月10日に逮捕された戸田被告。先輩との共謀に至ったのは、「(大麻を)半分あげるから」という言葉だったという。
「逮捕されるリスクも頭に浮かんでいましたが、誘惑に勝てませんでした」。自身も20歳の頃から大麻に手を染めていた戸田被告にとって、タダで大麻を入手できる機会を得たことが一線を踏み越えさせたが、税関で発見され、手元には届かず。逮捕後にその量が100回以上の吸引が可能な約57グラムと多量だったことについては「想定していなかった。1人10グラムで20グラムくらいが送られてくると思っていた」と話した。大麻ワックスは麻薬成分が凝縮されており、乾燥大麻と比べ約2倍の1グラム1万円以上で売買されているという。
逮捕直後の取り調べでは、「僕一人でやったこと」と供述していたことも明らかに。戸田被告は「国母さんに迷惑をかけられないと思っていました。彼はスノボで世界的に有名なので、その人が不利にならないようにしないと、と思っていました」と説明した。偉大な先輩を“売る”わけにはいかないと考えていたが、その気持ちを変えさせたのは、父親の言葉だった。
この日、情状証人として出廷した父親は「『仲間を守るというのが美学と思われがちだが、見えや意地を張らずに話してほしい』と弁護士さんを通じて彼(戸田被告)に伝えました」と証言。戸田被告は「その伝言で、気持ちが変わった」という。
国母被告は11月6日に関東信越厚生局麻薬取締部に出頭し逮捕。今月3日に起訴され、保釈保証金300万円を現金で納付して保釈された。取り調べで輸入の事実は認めているが、今後開かれる公判で、どのような証言をするかが注目される。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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