東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は、6日の広島の「原爆の日」に競技会場などで選手や関係者に黙禱(もくとう)を呼びかけるなどの対応はしない方針を明らかにした。組織委によると、広島市から国際オリンピック委員会(IOC)に対して、8月6日に選手らに黙禱を呼びかけて欲しいなどと要請があったという。
組織委はIOCの方針として、歴史の痛ましい出来事や様々な理由で亡くなった人たちに思いをはせるプログラムが8日の閉会式の中に盛り込まれていると説明。「広島市のみなさまの思いも、この場で共有してきたい」としている。
広島市の松井一実市長は7月28日付のIOCあての要請文のなかで、「選手や関係者に何らかの方法で被爆の実相に触れていただきたい。選手村などそれぞれの場所で黙禱を捧げることで、心の中で広島での平和記念式典に参加するよう呼びかけていただけないか」としていた。
組織委の方針を受け、広島県原爆被害者団体協議会(坪井直理事長)の箕牧智之(みまきとしゆき)・理事長代行(79)は「平和記念資料館にも来たのに黙禱を呼びかける気持ちになってもらえなかったのは残念。祈りの時間をちょっと設けることは世界の人も反対しないと思う」と話した。
IOCのトーマス・バッハ会長は7月16日、広島市の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花し、被爆者と面会。広島平和記念資料館を見学した後、「東京五輪・パラリンピックは、より平和な未来への希望の光になると確信している」と訴え、「この地を訪問し、大事な感情を持つことができた。あらゆる人が広島を訪問すべきだ」と呼びかけた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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