勤め先の施策を悪用し、国の給付金をだまし取る――。そんな嫌疑で経済産業省の若手キャリア官僚だった2人が6日に追起訴された。不正への関与を認め、懲戒免職となった2人の過ちの原点はどこにあったのか、両者を知る人物への取材でたどった。
2人は、経産省の係長だった桜井真容疑者(28)と、入省年次で2年後輩だった新井雄太郎容疑者(28)。だまし取ったとされるのは、コロナ禍で収入が激減した中小企業などを支える「家賃支援給付金」計約1150万円だ。
家賃支援給付金
コロナ禍で収入が減った中小事業者や個人事業主の負担を減らすため、家賃や地代の支払いを支援する制度。経産省によると、3月までに約104万件、総額約9千億円を給付し、事業を終えた。給付金の詐取や逮捕者が相次ぎ、自主的に返還されたのは8月5日時点で961件(計約7億1400万円)に上る。
2人に接点が生まれたのは、10年以上前のことだった。慶応大の付属高校の同級生で、ともにゴルフ部に所属していた。
当時を知る友人らによると、桜井容疑者は高校生の頃から投資好きで、「株でもうけている」が口癖だった。「8千万円手にした」とも話していた。羽振りが良く、買い物で釣り銭を取らず、修学旅行先で「宿舎にテレビがない」と言って衝動買いしたこともあったという。
一方の新井容疑者は向上心が…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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