北海道根室市の納沙布岬沖で17日にサンマ棒受け網漁船「第65慶栄丸」(29トン)が転覆した事故は、例年のサンマ漁なら出漁しない遠くの海域で起きた。「史上最悪」とも呼ばれる今季のサンマ不漁の影響で、漁師たちは魚影を求めて遠洋に出漁を迫られている。
転覆した慶栄丸には北海道在住の男性8人が乗船。操舵(そうだ)室から船長の敬礼寿広さん(52)が心肺停止の状態で見つかり、21日に死亡が確認された。残りの7人は行方不明となっている。第1管区海上保安本部は21日、7人は発見できなかったとして捜索を終了した。
慶栄丸は今季4回目の出漁だった。1、2回目は例年通り北方四島周辺に出たが漁獲なし。3回目は日本の排他的経済水域外の公海まで出漁したが、ほぼ漁獲はなく、今回も3昼夜をかけて公海を目指した。
転覆場所は、納沙布岬の東方沖約610キロの公海上。帰路だったことから、関係者は「1千キロぐらい先に行っていたのでは」と指摘する。所属する大樹漁協(北海道大樹町)は「沿岸にいないとなると、魚を追いかけて行かざるを得ないこともある」と話す。
背景にあるのはサンマの記録的…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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