「合言葉は挫折禁止」と語っていた伊勢谷友介容疑者 いったい何を目指してきたのか(FNNプライムオンライン)

俳優の伊勢谷友介容疑者が、大麻取締法違反の疑いで警視庁に逮捕された。伊勢谷容疑者は環境問題や教育問題など、社会活動にも力を入れていた。今回の逮捕は、彼を慕い、共に活動してきた多くの人々や、彼のもとで学んでいた子どもたちへの裏切りであり、与えたショックは大きい。 【画像】人材育成プロジェクトで参加者を前に語る伊勢谷容疑者 背景に映し出される言葉が痛々しい 筆者は数年にわたって社会活動家・教育者としての伊勢谷容疑者を取材し、その活動を追ってきた。逮捕は衝撃であり非常に残念である。これまでの取材を振り返り、伊勢谷容疑者が何を目指してきたかを考えたい。

今年5月、取材は容疑者の自宅でオンラインで行われた

「僕は会議をオンラインにして、オフィスが無くてもいいと以前から考えていました。やっと皆がこの考えにたどり着いてくれたんですね」 取材日はことしの5月21日。コロナによる外出自粛が続く中、取材はオンラインを通して伊勢谷容疑者の自宅で行われた。自宅は自らリノベーションしてオフィスとしての機能ももたせ、身体を鍛えるジムを併設、ベランダには多くの観葉植物をおいてハンモックもぶらさげていると話していた。 筆者は当時、「withコロナで変わる国のかたちと新しい日常」という連載していた。伊勢谷容疑者の社会活動を、それまで何度か取材してきたが、伊勢谷容疑者が代表を務める団体がコロナに対する医療支援プロジェクトを行っているのを知り、取材を依頼したのだ。 インタビューは1時間に及び、話題は伊勢谷容疑者が思うポストコロナの社会、芸術文化から、教育のあり方まで広がった。 (関連記事:伊勢谷友介氏「利他をやれば利己となる」人間だからこそ、今出来ることを)

自ら学校を経営し「問題児」に学びの場を提供した

「もう2月にはオンライン授業に切り替えていました。僕の世代は日本が先進国だと思って生まれました。ただ教育については、日本は後進国だということが今回わかりました」 話題が教育になると伊勢谷容疑者はこう語った。 伊勢谷容疑者は若い世代への教育に力を入れており、自らも学校を設立して学長を務めていた。この学校では、既存の学校や教育システムになじめない「問題児」や「変わった子」に学びの場所を提供し、彼らの才能を伸ばすことを目指していた。 (関連記事:“問題児”や“変わった子”が輝く場所を ~伊勢谷友介が挑戦する高校づくりとは~) 3月に全国の学校が一斉休業するなか、伊勢谷容疑者の学校ではそれに先立ってオンライン授業を行っていたという。伊勢谷容疑者はこう続けた。 「双方向でオンライン授業をできているのは5%です。教育は毎日の積み重ねの中で理解を深めていくもので、オンラインができるかどうかで圧倒的な差があるわけです。日本が後進国的な教育を提供している限り、先進国に置いていかれているのは目に見えています」 伊勢谷容疑者は、常に若い世代の目線に立って教育を語っていた。 「すでに活用できるオンラインがあるにも関わらず、いまを生きる大人が以前のことに固執し、前例がないからトライしない。トライしないから失敗は無いけれど、やらないことこそが最大の失敗だと思います」 教育への熱い想い、卓見をもつ容疑者がこういうことになり、筆者は残念でならない。 (関連記事:俳優・伊勢谷友介、「教育」を語る。平成に「松下村塾」をおこした理由とは)

インタビューを締めくくった言葉がいま自分に返ってくる

「僕らが人にどう影響するか感じられるようになれば、良いことが起きるだろうし、良いことにしなくちゃいけないと思います」 伊勢谷容疑者がインタビューを締めくくったこの言葉は、いままさに伊勢谷容疑者自身に返ってくる。もし自分が逮捕されれば、人々にどんな影響を与えるのか、容疑者は考えなかったのか。 この言葉をもう一度かみしめて欲しい。 かつて伊勢谷容疑者は、自らの社会活動を「合言葉は『挫折禁止!』」と語ってきた。猛省し罪を償い、社会に戻ってきたとき、容疑者に必要な言葉となるだろう。 【執筆:フジテレビ 解説委員 鈴木款】

鈴木款

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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