能登半島地震で被災した石川県七尾市のお好み焼き屋「平野屋」は、地元を励まそうと、約2週間後に断水が続く中で営業を再開した。被災地で奮闘する店に届いたのは、七尾市を舞台にしたある作品の関係者たちからのエールだった。
市中心部から車で10分ほどの住宅街。ようやく水が出るようになった2月下旬、杉本祐一さん(45)はいつものようにお好み焼きを手際よく仕上げていた。被災地で働く工事業者らが通うようになり、客足は地震前の6割ほどに戻りつつある。
正月の地震では、幸い家族全員無事で自宅兼店舗も倒壊を免れたが、空調や業務用冷蔵庫など多くの店の設備が壊れた。損失は1千万円を優に超えるとみている。
店を開けられない状況で、直後から避難所での炊き出しボランティアに加わった。気になったのが、日に日に暗くなっていく避難者たちの表情だった。「早く日常に近づけて安心してもらいたい」。自分が店を開ければ、ほかの店も続くかもしれないと思った。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル