「昨年の経済産業大臣辞任に際しまして、大変お騒がせをし、また多くの皆様にご迷惑をおかけしたことを心からお詫びを申し上げる次第でございます」
通常国会開会日の1月20日、午前11時、自民党の菅原一秀衆院議員は記者団にこう話した後、深々と頭を下げた。菅原議員が経済産業大臣を辞任してから公の場に姿を現すのは、約3ヶ月ぶりのことだ。
「告発状出されたから…」を繰り返す
菅原議員を巡っては去年、地元有権者に秘書が香典を渡した公職選挙法違反の疑惑が
週刊誌に報じられ10月25日に経産大臣を辞任。それ以降、疑惑について説明することがないまま国会を欠席し、およそ3ヶ月間雲隠れを続けてきた。その期間に、都内の男性が告発状を東京地検特捜部に送付している。
その菅原議員は、通常国会開会にあたって辞任会見以来となる取材に応じ、国会を長期欠席した理由について、「国会審議に影響を与えてはいけないと考えた」と説明した。そして議員辞職や離党については否定した。
一方で疑惑については「告発状が出されているという状況ですから、そこは当局から要請があればしっかりと応えていきたい」と回答。記者団からは「事実関係は?」「違法なことをした認識は?」「当局から要請がなければこのまま疑惑について答えないのか?」などと疑惑についての質問が集中したが、菅原議員は全て「告発状が出されている」ことを理由に明確な回答を避けた。そして記者団から最後に「納得を得られるか」と問われたのに対し「誠心誠意説明をしていきたい」と答え、会見は終了した。
河井夫妻は「刑事告発」「捜査中」を連発
一方、1月16日夜、法務大臣を辞任した自民党の河井克行衆院議員と妻の河井案里参院議員がそれぞれ会見を行った。克行議員は、2019年7月の参議院選挙で妻の案里議員の陣営が、車上運動員いわゆる「ウグイス嬢」に法定の上限の倍の報酬を支払った公職選挙法違反の疑いがあると報道され、「法務行政への影響」を理由に10月31日に法務大臣を辞任した。
その後、夫妻そろって国会に姿を現すことはなく、1月15日に広島地検が2人の自宅や事務所を家宅捜索する事態に発展していた。
16日の会見で克行・案里両議員ともに謝罪したが、記者からは疑惑についての質問や、説明が遅れた理由についての質問が相次いだ。しかし案里議員は「捜査中なので答えられない」と繰り返し、また克行議員も「刑事告発を受け、刑事事件として捜査が始まっている」ことを理由にコメントを避けた。記者から「刑事告発される前に説明できたのでは?」と問われても「刑事告発がなされたのでコメントは控えさせて頂いた」と答え、記者がさらに「質問に答えていない。刑事告発されるまでの間に説明できたのではという質問です」と問うても、「刑事告発がなされたので、捜査に支障をきたすようなことは控えるべきだという考えだった」と繰り返すばかりだった。
そして河井夫妻も、菅原議員と同じく、20日の通常国会開会日に登院し、記者団の取材に応じたが、案里議員は「捜査の進展を見ながら、一区切りがついたところでしっかりと皆様にご説明をさせていただきたい」と述べるにとどめた。その後FNNが、「ご自身に不都合なことがあるから説明できないと見えてしまうが」と直撃したが、案里議員は一言も答えなかった。
克行議員も「捜査に支障をきたす影響を与えるようなことについて現に慎むようにということで言われているので、私どもの所感考えを述べるのは控えたい」などと「発言を控える」を連発した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース