九州付近に停滞している梅雨前線に向かって、暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となっている。特に、熊本県と鹿児島県では、これまでに経験したことのないような大雨になっているとして、気象庁は4日午前4時50分、両県に大雨特別警報を発表した。 大雨特別警報が発表されたのは、熊本県の天草・芦北地方、球磨地方、宇城八代地域と鹿児島県の出水・伊佐地域。両県に大雨特別警報が発表されたのは初めて。気象庁は「命を守るために最善を尽くさなければならない状況」と呼び掛けた。 大雨特別警報は、5段階の警戒レベルで最も危険な「レベル5」に相当する情報。大雨特別警報が出た段階では、既に洪水や土砂災害などが発生している可能性が高いことから、避難場所に移動する行動そのものが危険な場合も考えられる。 記者会見した気象庁の中本能久予報課長は「指定された避難場所に向かうことにこだわらず、川やがけから少しでも離れた頑丈な建物の上の階などに避難する判断をしてほしい。少しでも命が助かる可能性が高い行動を取ることが重要。また、普段災害が起きないと思われているような場所でも最大級の警戒が必要」と話した。 今後、他の市町村でも特別警報が発表される可能性があるとしたうえで、「特別警報が発表されてから避難するのでは手遅れになる。発表を待つことなく、地元市町村の避難勧告等に直ちに従い、身の安全の確保を」と訴えた。 また、八代河川国道事務所・熊本地方気象台は4日午前6時半、熊本県を流れる球磨川(球磨村付近)で氾濫が発生したと合同発表した。
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