「国語の教科書なんだから、デジタルより紙でしょ」
熊本県南部の人口約3千人の山江村にある村立山江中学校。ここで教える大瀬順子先生は、以前そう思っていた。だが、同校では数年前に端末が「1人1台」となり、2021年度からは国語の学習者用デジタル教科書を使っている。今は「国語嫌いの子から嫌なイメージを払拭(ふっしょく)してくれる道具だ」と実感している。
大瀬先生は、学年主任や進路指導主事をしながら全学年の国語を担当してきた(4月から教頭)。文部科学省の昨年の調査では、公立小中学校の通常学級の児童生徒の3・5%が「『読む』または『書く』に著しい困難を示す」とされた。つまり40人学級に1・4人程度。しかし、約25年間、中学で教えてきた経験から言えば、実態はもっと多く、近年は増えていると感じる。「読み書きが苦手なため中学入学段階ですでに国語嫌いで、授業になかなか集中できない生徒が一定数いるんです」
読んで、見つけて、書き写す…それだけで嫌になる子も
2月上旬、中1の教室で教科…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル