「地元を走るのが夢だった」 北陸新幹線一番列車、運転士の思い

佐藤常敬

 つながる北陸――。北陸新幹線の金沢―敦賀間が16日、いよいよ開業する。敦賀発、金沢発の一番列車を担うJR西日本の運転士と車掌4人は、いずれも北陸3県の出身者。午前6時11分の敦賀発東京行きの「かがやき502号」の運転士を務める浦松義幸さん(48)は「開業に努力された全ての人の思いとともに運転したい」と話した。

 浦松さんは、福井県おおい町出身。1994年入社で、在来線の運転士を経て、2018年から北陸新幹線の運転士になった。JR西によると、敦賀新幹線列車区の40人の中で最年長の運転士だ。能登半島地震の被災地にも思いを寄せ、「開業で北陸全体が盛り上がり、被災地の早期復旧につながれば」と語った。

 開業日の一番列車の運転を上司から告げられた際、「大変、光栄に思った。私で本当に良いのかという身の引き締まる思いだった」と振り返る。「福井県を新幹線で走るのが夢だった。思いが届いた」と言い、高校生の長男から「お父さんおめでとうと言われたのが一番うれしかった」と話す。

 開業区間で一番のお気に入りは、やはり地元敦賀の町並みと話す。「乗客の皆さんには新北陸トンネルを出た後の敦賀の景色を楽しんでほしい」

 この列車の車掌を務める和泉雅寿さん(41)は、富山県高岡市出身。「当日は安全第一を心がけ、乗客のみなさまに最高の一日を届けたい」と抱負を語った。

 金沢発敦賀行きの一番列車「つるぎ1号」の運転士、新谷均さん(42)は、地震で被害の大きかった石川県珠洲市出身。車掌の寺沢篤人さん(38)は同県中能登町出身。新谷さんは「被災地の人たちに開業が明るいニュースとして届けばうれしい。北陸全体が盛り上がるように一生懸命頑張りたい」と力を込めた。(佐藤常敬)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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