土地の所有者になりすました「地面師」グループが積水ハウスから約55億円の売却代金をだまし取ったとされる事件で、東京地裁(石田寿一裁判長)は17日、詐欺罪などに問われた秋葉紘子〈こうこ〉(75)、羽毛田(はけた)正美(64)の両被告に懲役4年(いずれも求刑・懲役7年)、常世田(とこよだ)吉弘被告(68)に懲役4年6カ月(求刑・懲役5年)の判決を言い渡した。10人が起訴された事件で、判決は初めて。
判決によると、3被告は2017年、内田マイク被告(66)らと共謀し、東京都品川区の旅館跡地の所有者の女性(故人)になりすまし、積水ハウスから土地・建物の売却代金をだまし取るなどした。
判決は、所有者の情報を集めて計画を立てる上位者、なりすまし役、手配役など、多くの役割分担をした「組織性の高い犯行」と指摘。犯行に使われた偽造パスポートなどは専門家も見破れないほど精巧で、「不動産登記制度への信用を損なった点も看過できない」と批判した。今回の3被告についてはグループ内で従属的な立場だったとしつつ、「刑事責任は相応に重い」として実刑判決を言い渡した。(阿部峻介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル