性暴力の根絶に向けた政府方針に基づき、国は今年度から全国の小中高校で「生命(いのち)の安全教育」の実施を呼びかけている。めざすは加害者、被害者、傍観者にならないための教育。だが指導経験の乏しさなどから取り組みにはばらつきもある。国に先駆けた福岡県の現状を取材した。
「みんな手を広げて。自分と他の人との『境界線』はどこかな」
8月末、福岡県行橋市立泉小学校で、6年生対象の講義が開かれた。臨床心理士で性暴力対策アドバイザーを務める園田美貴さん(52)の呼びかけに、子どもたちは迷いながら、両手を横に大きく広げたり、頭の上で小さく合わせたりした。
「境界線」とは、自分と他者…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル