第2次世界大戦後の戦犯裁判でBC級戦犯として裁かれ、日本政府に救済と名誉回復を求めていた在日韓国人の李鶴来(イハンネ)さんをしのぶ集会が1日、国会内であった。国会議員や支援者らが黙禱(もくとう)し、外国籍BC級戦犯問題解決のための法案成立をめざす考えを改めて示した。
李さんは韓国人元BC級戦犯らでつくる「同進会」会長だったが、3月28日に96歳で亡くなった。
戦時中、日本軍軍属として捕虜収容所の監視員を務めた。戦後、連合国の軍事裁判で「日本人戦犯」として死刑判決を受け、減刑後に仮釈放された。
日本人の元戦犯に実施された恩給などの援護制度は、日本国籍を失ったことを理由に対象外に。李さんらは「同じ戦犯なのに不条理だ」として、日本政府を相手取って1991年に提訴した。99年に敗訴したが、最高裁判決で立法による解決を促された。国会では2008年に救済法案が提出されたが、成立に至っていない。
集会では、李さんらの活動を支援してきた「同進会を応援する会」代表の内海愛子・恵泉女学園大名誉教授が「李さんの遺志を引き継ぎ、日本の不条理に対する当事者の思いを伝える運動を続けたい」とあいさつした。
日韓議連幹事長として救済法案作成にかかわった河村建夫衆院議員が「存命中に何とかしたかった。李さんの逝去が無にならないよう、再度党内手続きを進めたい」と述べた。(編集委員・北野隆一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル