少年院や刑務所を出る人に就労の場を提供し更生を支援する「職親プロジェクト」が、県内でも広がりを見せている。もともと関西発祥の取り組みだが、2019年までに県内5社が参加。「夢を持てる環境をつくりたい」「人は変われる」-。受け皿となる経営者らの熱い思いがそこにはあった。
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横浜市港南区の建設業「井上組」代表の井上宝さん(37)は17年にプロジェクトに参加した。プロジェクト外の取り組みではあるものの、これまでに30、40代の男性3人を雇用した経験を持つ。早朝の移動を伴うことがある建設業。未経験者も経験者もいたが、結果的に全員が去った。長くて約1年半、短くて1年だった。体調不良のほか、突如として姿を消したケースもあった。
「人間不信に陥りかけた」が、それでも「仕事が更生の第一歩になる」と、職親として門戸を開く決意は揺るがない。思いの原点は自身の半生にあった。
井上さんは10代の頃、非行に走った。付き合う仲間はやくざや暴走族の関係者。暴走族に入ると乱闘騒動を起こした。「改心したい」と、18歳で単身上京。行くあてはなかったが、「金を稼ぎたい」との一心で鳶(とび)の世界に入った。
仕事先でぶつかることはあったが、自身の存在を認めてくれる環境がそこにはあった。「辞めたいと思ったことはなかった」。27歳の頃に独立すると、首都圏を中心に東北なども飛び回った。「目標を持っていたからこそ、今の自分がある」と話し、力を込めた。
「受け皿があれば、非行には走らない」
神奈川新聞社
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