大浴場の湯を年2回しか取り換えていなかったことなどが明らかになった福岡県筑紫野市の老舗旅館「大丸別荘」の運営会社の前社長(70)が死亡したことがわかった。福岡県警が12日、発表した。遺書が見つかっており、県警は自殺の可能性が高いとみている。
県警によると、前社長の男性は12日午前7時ごろ、筑紫野市内の山道で死亡しているのを通行人が見つけた。近くに車があり、車内からは遺書が見つかったという。県警は死因を明らかにしていない。
県などによると、大丸別荘は昨年8月、県保健所の調査に虚偽の管理簿を示し、湯の取り換えや、殺菌用の塩素注入が適切だったと説明した。だが実際は、週1回以上必要と定められた湯の取り換えは年2回のみで、塩素注入も怠っていたことが後に判明した。
前社長は先月28日に記者会見を開き、責任を認めて謝罪。今月2日に社長を辞任していた。
県は虚偽報告があったとして今月8日、公衆浴場法違反の疑いで県警に前社長と法人の「大丸別荘」を刑事告発し、県警は10日、大丸別荘と前社長宅を家宅捜索していた。
県警生活経済課の児玉英治次席は「亡くなられたことは大変残念であり、心を痛めております。ご冥福をお祈りいたします。警察の対応に問題はなかったとみています。今後、引き続き捜査を進めていきます」とコメントした。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル