「大人が助ける感じなく…」中学生6人、踏切で男性救出

 踏切内で自転車ごと転倒して動けなくなっていた男性を、中学生6人が力を合わせて救出した。「周りにいた大人が助けに行く感じではなかったので自分たちが行かなきゃと思った」。6人の一人、猪瀬史也さんは振り返った。

 他の5人は浅川悟さん▽木村和明さん▽岩知道日陽(ひなた)さん▽長谷川瑛翔(えいと)さん▽田中紫(ゆかり)さん。全員、埼玉県の越谷市立北中学校の2年生だ。

 6人によると、3月26日午前10時40分ごろ、猪瀬さんと岩知道さん、田中さんの3人が下校途中に通りかかった東武スカイツリーライン大袋駅北側の踏切で、市内の男性(64)が目の前で自転車ごと転倒した。男性は自転車の下敷きになってうずくまり、酒を飲んだ状態だったこともあり、自力で立ち上がれなかった。

 3人は男性に「大丈夫ですか?」と声をかけ、まず田中さんが自転車を移動。猪瀬さんと岩知道さんが周囲にいた大人の手も借りて男性を抱えて踏切の外に救い出すと、猪瀬さんはその足で猛ダッシュし、約200メートル離れた駅前交番に通報した。ほどなく他の3人も合流し、男性に寄り添い、声をかけ続けた。遮断機が下りる前で、男性にけがはなく自力で帰宅した。

 6人は12日、学年集会で三上元樹・越谷署長から感謝状を受けた。三上署長は「とっさの判断と正義感あふれる勇敢な行動。これからも人を思いやる気持ちを大切に」とたたえた。(加藤真太郎)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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