「大震災前を思い出す」 津波で流出の社殿を再建、伝統の踊りを奉納

嶋田達也

【動画】社殿が再建された苕野(くさの)神社で行われた「安波祭」=嶋田達也撮影

 東日本大震災の津波と東京電力福島第一原発の事故で大きな被害を受けた福島県浪江町請戸(うけど)地区の苕野(くさの)神社で18日、約300年前から続く「安波祭(あんばまつり)」が開かれた。

 津波で流された社殿が今年再建され、多くの人が見守る中、社殿の前で伝統芸能の「田植踊(たうえおどり)」が奉納され、豊漁と海上での安全を祈った。

 原発事故で住民は避難を余儀なくされ、祭りは仮設住宅で継承されてきた。2017年に浪江町の一部で避難指示が解除され、現地での祭りが復活した。

 大震災時に神社近くの請戸小学校の6年生だった横山和佳奈さん(25)は、流される前の神社でも田植踊を踊ったという。横山さんは「大震災前を思い出しながら踊った。当時のようにたくさんの人の前で踊ることができ、楽しかった」と語った。

 今は同県富岡町に住む氏子総代長の五十嵐光雄さん(76)は「請戸の人たちに心のよりどころができた」と再建を喜んでいた。(嶋田達也)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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