立憲民主党など野党統一会派は7日まで5日間にわたり開かれた衆院予算委員会で、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の問題を取り上げ続けた。質問は、首相が述べた言葉の法律上の定義を問いただすといった細部に及び、違法性を証明しようと躍起だが、決定的な答弁を引き出すことはできず、攻めあぐねる場面が目立っている。
「合意とは何か。法律的な性格は」
「契約は民法上の契約なのか」
立民の大串博志氏は5日の予算委で矢継ぎ早にこう質問し、首相が答弁に立つ前に秘書官と話したことまで問題視した。首相は「(秘書官に)確認させてほしい。正確性を欠く言葉を言わせて、揚げ足を取ろうという人もいる。民法上どうかということであれば六法全書を見て確認しないといけない」と苦言を呈した。
野党は、桜を見る会について「首相の私物化」と批判し、招待者名簿などを示すよう求めてきた。政府は公文書管理法に基づき保存期間1年未満のルールで廃棄したと説明。電子記録の開示や再調査も不正侵入の懸念などを理由に拒否している。
そこで照準を定めたのが、桜を見る会の前日に都内のホテルで開かれた首相の後援者向けの夕食会だ。野党側は、政治資金収支報告書の不記載に加え、会費の5千円が安すぎるとして「買収」などと批判。一方、首相は、夕食会がホテルと参加者の契約であり、安倍事務所は仲介して条件などをホテルと合意しただけだと説明し、水掛け論になっている。
大串氏同様、民法上の契約かどうかを尋ねた野党統一会派の小川淳也氏に対し、首相は参加費がホテル側に支払われる夕食会と収益をあげるための政治資金パーティーの違いなどを説明。「論理的ではなく、レッテルでイメージを操作しようということなんだろう」と牽制した。
7日の予算委でも、立民の黒岩宇洋氏が桜を見る会関連の公文書管理をめぐり、菅義偉官房長官に質問した。ただ、新たな答弁を引き出すことはできず、6日の予算委に続き公文書管理担当の北村誠吾地方創生担当相に批判の矛先を向けた。
自民党国対幹部は「首相をいくら追及しても平行線だから、攻めやすいところを攻めているんだろうが、ただ困らせているだけに見えれば、野党の評判が悪くなる」と話している。(田村龍彦)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース