京都アニメーションの放火殺人事件で、青葉真司容疑者が逮捕されたことを受け、同社代理人の桶田(おけだ)大介弁護士が27日、京都市内で記者会見。「事件によって尊い存在が奪われたことを考えない日はない」などとする同社のコメントを紹介した。
事件では36人が亡くなり、33人が重軽傷を負った。桶田氏によると、負傷者の多くは職場復帰しているが、退社した人もいる。勤務しているスタッフもそれぞれ思いを抱えているといい、「スタッフ、クリエイター、さまざまな形で影響がある」という。
また、「今までと同じように作品が作れない。(大事な場面で作業を支えてくれる)『あの人がいない』と、奪われたものの大きさを感じることがあり、つらい」と喪失感を抱えるスタッフもいるという。
被害者の心のケアについては、メンタルヘルスの専門家の支援のもとで、「本人の申し出に応じながら、一人ひとりに細やかな対応をしている」と説明した。
こうした中、京アニは前を向いて進み始めている。
昨年11月、京アニの現役のアニメーターから指導を受けられる「プロ養成塾」の入塾生の募集を再開。例年よりも多い82人が応募し、今年4月に「相当数」(桶田氏)が入塾した。
作品の制作も再開している。京都府宇治市の別のスタジオや大阪市中央区の関連会社など既存の拠点で、亡くなったスタッフの担当分の作業を職場復帰したスタッフらが新たに引き受けるなどし、奮闘している。
新型コロナウイルスの感染拡大で公開が延期となっている「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の新作映画の公開日については調整中だが、新たな作品について、関係者と相談の上、ファンが喜べるよう準備を進めているという。
犠牲者の功績を残すための活動についても、桶田氏は「これまでも京アニではスタッフの思いなどを社内で企画編集して詳細に伝えてきた。今後なお一層取り組まれるだろう」と話した。
そのうえで、「残った社員が心のケアで日々を取り戻し、新しい人材が成長してくれるかどうかに再建がかかっている」と話した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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