20~39歳の女性が少なく若者の流出も止まらないまちは消えてしまう。2014年に政策提言機関「日本創成会議」が発表した「増田リポート」は地方に衝撃をもたらした。どうして、若い女性は地元を離れてしまうのか。
全国最年少の女性町長
新春を2メートル近い大雪で迎えた新潟県津南町。人口約9千人、「リポート」が挙げた896の「消滅可能性都市」のひとつだ。東京で「まつ毛エクステンション」の店に勤める22歳女性も実家に帰省した。上京して4年、毎朝7時に一人暮らしのアパートを出て、帰宅は午後10時を回る。休みは不定期。でもお客さんの指名もつき、充実している。地元は好きだが、「戻ることはまったく考えていない」。50代の母も「帰っても、やりたい仕事はできない。東京で頑張っておいで」と応援する。
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結婚して町に来た30代の女性は、ここでの暮らしに嫌気が差している。きっかけは、町を二分した「町立保育園再編」だ。少子化に伴い、5園を再編する計画に、自分たち保護者の多くは「新しくて大きな園で、たくさんの友達と過ごしてほしい」と前向きだった。その後、年配者を中心に「子どもの声が聞こえなくなると活気がなくなる」「孫と手をつないで送迎するのが楽しみだったのに」と反対の声が上がった。
このままでは街に未来がない…。そう気がついて、ジェンダーギャップ(社会的文化的な男女格差)解消を掲げる自治体も出てきています。記事後半では兵庫県豊岡市の取り組みをお伝えします。
賛否があるなら話し合えばいい。憂鬱(ゆううつ)になったのは「あそこの嫁は賛成らしい」とうわさを聞いたり、「家族全員の名前が必要だ」と義父に反対署名を無理やり書かされたママ友の話を聞いたりした。「田舎の悪いところを見てしまった気がします」
「女性が首長になれば課題解決、は甘い」
中山間地の豪雪の町が他と違うところがあるとすれば全国最年少の女性町長、桑原悠さん(34)の存在かもしれない。東大公共政策大学院在学中の11年、町が長野県北部地震で大きな被害を受けた。「復興を手伝わなければ」と25歳で帰郷して町議になり、18年に町長になった。2児の母でもある。
だが、桑原町長は「若い女性が…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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