「女性らしさ」演じてあげていると気付きなさい…現代の土偶は語る

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緒方江美/アフリーダ・オー・ブラート

 アルミ製のガスコンロカバーで顔を覆いおかずを詰める姿や、頭にスポンジを付けて洗剤を注ぐ姿。自宅の台所や洗濯場で撮影された写真が並びます。「お弁当作り」、「洗剤の詰め替え」、「子育て」は、誰の役割でしょうか。

【連載】VIVA LA VIDA!

昼は展覧会などの進行を担うアートマネジャー、深夜0時からはドラァグクイーン。二つの顔を持つ緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんが、現代美術やクラブカルチャー、社会の多様性についてつづります。

 美術家・やまもとひさよの個展「土偶の日常」が、今月4日まで、大阪のNANEI ART PROJECT GALLERY 04街区で開かれました。

 青森県八戸市から出土した「足を曲げる土偶」に出会い、その表情に苦しみや痛みを感じたというやまもと。現在も諸説ありますが、縄文土偶は植物と女性の繁殖力を重ね合わせた「豊穣(ほうじょう)の女神」をかたどっていると言われます。豊穣の象徴という役割を「押し付けられた」女性たちは、本当はどう生きたかったのか。そんな問いを追い、自らを土偶に見立てたセルフポートレート(自写像)の制作を続けています。

 本展に並んだのは、土偶の顔…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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