資産運用をめぐって顧客にうその説明をし、3500万円をだまし取ったとして、警視庁は2日、三井住友信託銀行の元行員、松本裕一容疑者(36)=東京都足立区佐野2丁目=を詐欺容疑で逮捕し発表した。容疑を認めているという。
同庁は、松本容疑者が2018年5月~20年12月、顧客十数人から計約7億6千万円を詐取したことを確認したと説明。このうち約3億6千万円をギャンブルなどに使ったとみている。
捜査2課によると、松本容疑者は同行新百合ケ丘支店(川崎市麻生区)の財務相談課長だった20年7月中旬、同市の70代女性に「普通預金から出金し、キャンペーン中の好条件で定期預金を作りましょう」などと持ちかけ、現金計3500万円を詐取した疑いがある。実際には定期預金の口座を作らず、私的に流用していたという。
同課は、松本容疑者がほかの顧客からも同様の方法で現金を詐取していたとみている。発覚を免れるため、だまし取った現金を別の顧客の口座に入れる自転車操業を続けていたという。不正の発覚を受け、同行は20年12月に松本容疑者を懲戒解雇にした。
三井住友信託銀行広報室は2日、「日頃から当社を信頼し、取引いただいているお客さま、並びに株主のみなさまに心よりおわび申し上げます」とのコメントを出した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル