車のスマートキーから発せられる電波を傍受し、不正利用する自動車盗・リレーアタックの被害が、今年に入って国内で広がりをみせている。車を傷つけることも少なく、転売目的で高級車を盗むのに効果的な手法とされる。愛知県警や自動車販売会社は、キーの管理を徹底するよう呼びかけている。
愛知県常滑市の30代の男性会社員は今年5月、自宅の駐車場から高級車レクサス(時価1千万円相当)を盗まれた。窃盗容疑で逮捕されたのは、名古屋市の自動車販売会社役員の男(47)。県警は役員の男とともに犯行に加わったとみられる仲間の男(52)の車から、スマートキーの電波を傍受する機械を押収。リレーアタックの手口による窃盗事件の摘発は、この事件が全国で初めてだった。
リレーアタックは、特殊な機械を使って、車のスマートキーが発する電波を傍受。盗もうとする車に「近くにキーがある」と誤った情報を与え、エンジンを始動させる手口だ。
盗難被害が多いレクサスやプリウス、ランドクルーザーなどの高級車の大半はスマートキーを搭載している。リレーアタックの手口を使えば、車の所有者が家の中などにキーを置いていても車を盗むことができるうえ、短時間で犯行を終えられる。こうした点がリレーアタックが広まる一因のようだ。県警が、今回押収した機械を使って実験した結果、キーの電波を傍受してからエンジンが始動するまで約10秒だった。
欧州ではリレーアタックによる自動車盗が頻発しているが、最近は国内でも高級車を中心に被害が増えているという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル