「子どもをもたない幸せ」も感じられてこそ 少子化、専門家の提言

 少子化問題を研究する柴田悠・京都大学教授(社会学)は、「日本を救うには2025年がタイムリミット」と対策の緊急性を訴えています。3月末に政府が公表した「異次元の少子化対策」の試案にも、有識者として提言した児童手当拡充や学費軽減、保育の定員拡大などが盛り込まれました。

 一方で、「子どもをもたない人が幸せを感じる社会こそが、結果的に子どもを産み育てやすい社会になる」とも展望します。詳しく聞きました。

 ――「少子化対策は2025年ごろまでがタイムリミット」と政府に訴えています。政府の試案でも30年代に入るまでを少子化が反転できる「ラストチャンス」としています。なぜでしょうか。

 政府の統計により、25年ごろから20代の人口が急激に減ると見込まれています。

 21年の日本の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産むと見込まれる子どもの数)は1・3でしたから、このまま低い状態が続けば、生まれてくる赤ちゃんの数も当然、急減します。

 そうなる前に結婚・育児がしやすい環境を整えなければ、若い人が減り、高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は4割近くになります。

 働く人が減るので税収は減り、国の財政が悪化します。ロボット化が難しい医療・介護などで人手不足が深刻となり、社会が持続可能でなくなってしまいます。

希望出生率1.8 実現のためには

 ――どんな社会になるのでしょうか?

 国の財政が行き詰まれば、道…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment