子どもだけの登下校や外遊び、留守番を「虐待」とし、批判を受けて撤回された埼玉県虐待禁止条例の改正案が波紋を広げた。「子どもを守る」とは、どういうことなのか。幼児教育の専門家で、保育園を運営する金崎芙美子・宇都宮大名誉教授(80)に聞いた。
――今回の埼玉県条例の改正案をどう思いましたか。
「この条例改正案を知った時には、あぜんとしました。これが子どもを守るということになると思ったのだろうか、と」
――具体的にはどういうことですか。
「埼玉県の自民党県議団による改正案の説明では、小学3年生以下の子どもだけで公園で遊ばせたり、登下校させたり、おつかいに行かせることを禁じていました」
「でも、子どもの成長を見てください。2歳ぐらいから子どもは自我が芽生え、成長していきます。子どもたちは、親を慕う心を持ちながら、少しずつ自分の世界を広げ、友だちとの世界を作っていく。小学3年生ともなれば、明確に自己の意志で行動する時期です」
「虐待禁止条例」が虐待を呼ぶ?
――子どももちょっとずつ自立していきます。
「日本には今でも『子どもは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル