4月半ばの水曜日の夜、札幌市中央区の市教育文化会館の一室で、自主夜間中学「札幌遠友塾(えんゆうじゅく)」の授業が始まった。
「内閣(政府)とは総理大臣と大臣たちの集まり」
「選挙で勝ち、政権を持つ政党が『与党』」
3年生は社会科で、この日のテーマは「政治」。50分の授業で、三権分立や内閣、行政権や総理大臣、政党について学んだ。
講師の元教員の男性が、スクリーンに映し出した画面やプリントに沿って説明を進める。説明は大きな文字で平易な言葉を使う。漢字一つひとつにルビが振ってある。フランス語、韓国語、中国語の表記が添えられているのは、それぞれの国籍の受講生がいるからだ。福田康夫氏から野田佳彦氏まで、最近の総理大臣5人の写真を就任順に並べるクイズ形式の問題もあった。
戦後の混乱期や経済的事情など様々な理由で義務教育を十分に受けられなかった人たちを対象にした夜間中学校。市民が運営する札幌遠友塾では、新年度は20~90代の63人が学ぶ。70、80代が中心だ。
週1回1日2教科、国数英社…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル