「安倍改憲」時間切れ必至 国会はコロナ対策優先(北海道新聞)

総裁任期来年9月

 安倍晋三首相が目標に掲げてきた来年9月までの自民党総裁任期中の憲法改正は、時間切れが必至の情勢だ。年内に臨時国会が開かれても、新型コロナウイルス対策の議論が優先されるのは確実で「安倍改憲」に反対する主要野党も議論に応じる気配はない。自民の改憲派はコロナ禍をてこに憲法への緊急事態条項創設を訴えるが、党内からも「護憲派を刺激するだけで逆効果だ」と冷ややかな声が漏れる。  首相は7月中旬の麻生派パーティーでのビデオメッセージで「自民党総裁として、任期中に憲法改正を成し遂げていきたい」と変わらぬ意欲をアピールした。長期政権の「レガシー(政治的遺産)」を狙い、宿願の実現を主張してきた首相だが、実際には風前のともしびだ。

与党内にも慎重論

 任期中に想定される国会は、秋の臨時国会と来年の通常国会の2回。臨時国会ではコロナ対策が議論の中心となり、継続審議中の国民投票法改正案の成立さえ見込めない。  最高法規を変える改憲原案は複数国会にわたって審議すべきだとされているが、臨時国会で9条への自衛隊明記を含む自民の改憲4項目の議論に入る可能性は極めて低い。年明け以降、国民投票に踏み切ろうとしても、感染が続いていれば批判を浴びるのは確実だ。  このため、与党内でも「首相本人も含め任期中に実現するとは思っていない」(関係者)との見方が大勢になっている。首相は保守層の支持を意識し「改憲の旗を降ろすことはない」(周辺)とみられるが、連立政権を組む公明党の山口那津男代表も「自民も国民に分かりやすい(改憲)案に高められていない」と慎重姿勢を崩していない。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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