「実刑でも出馬する」 秋元司議員、今秋の衆院選に意欲 7日に判決

 無罪こそが真実だ――。カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐり収賄と組織犯罪処罰法違反(証人買収)の罪に問われた衆院議員の秋元司被告(49)=東京15区=が、7日の判決を前に朝日新聞の取材に応じた。「やましいことはない」と自らの潔白を強調し、今秋予定の衆院選に「(どんな判決が出ても)出馬する」と強い意欲を示した。

 東京・永田町にある議員会館の事務所で約1時間にわたり取材に応じた秋元議員。IR事業の参入を目指す中国企業側から賄賂を受け取ったとする検察側の主張について、「賄賂をもらっていたなら、はやく認めて人生をリセットして終わりたい。でも、どうでもいいと投げ出すのは俺の人生論としてあり得ない。(検察側の)うそをそのまま受け入れるわけにはいかない」と無罪主張の理由を説明した。

「現金授受ない証拠示せた」、秋元議員に単独インタビュー

 さらに「今回の裁判で証拠を出して、(贈賄側との)面談はなかったという本当の事実を示せたと思う」として、現金授受はなかったとの持論を展開した。事件は「政治家をつかまえたい特捜部の暴走だ」と語り、裁判所には「頭をまっさらにして判断してほしい」と求めた。

 一連の事件では、贈賄側や証人買収の実行役ら計8人の有罪が既に確定している。秋元議員は「(贈賄側や実行役は)罪の軽減や保釈のためにうそを言った。私がうそをつく必要はない。私が言っていることこそが真実だ」と力を込めた。

 2019年の逮捕時に自民党を離党した秋元議員は、今年6月の再保釈後に街頭演説などの政治活動を再開している。今秋の衆院選については「仮に実刑判決が出てもやましいことはないので、選挙に出る」と説明。実刑が言い渡されると、巨額買収事件で懲役3年の実刑判決を受けた元法相の河井克行被告(58)=控訴中=のように再び拘置所に収容される可能性があるが、秋元議員は出馬への意欲を明言した。7日に有罪判決を受けても、確定しなければ立候補できる。

 検察側は、秋元議員がIR担当の内閣府副大臣だった17~18年、中国企業側から計約760万円の賄賂を受領したほか、最初の保釈中の20年6~7月には、賄賂提供を認めた贈賄側に支援者らを介して裁判でうその証言をするよう働きかけたとして起訴した。これに対し、秋元議員側はすべて否認して無罪を主張している。

全面無罪の主張、判決はどう判断する?

 7日の判決の注目点は、現金300万円の授受が実際にあったかや、証人買収を秋元議員が支援者らに指示したかどうかを裁判所がどう判断するかだ。

 検察側は論告で、贈賄側の証言やSNSの記録などを根拠に①秋元議員が議員会館で贈賄側と面会し現金を受け取った②証人買収は秋元議員が主導した――と説明して懲役5年、追徴金約760万円を求刑した。

 秋元議員は、スケジュール表やスマートフォンのアプリの記録から「議員会館には行っていない」と贈賄側との面会そのものを否定し、旅費なども「秘書が適切に処理したと思っていた」と賄賂の認識を否認した。証人買収は「うその証言をしてほしいと依頼していない」と訴えている。(川嶋かえ)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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