甲府市で2021年10月、全焼した住宅の焼け跡から50代の夫婦が遺体で見つかった事件で、犯行当時19歳で殺人と現住建造物等放火など四つの罪に問われた無職遠藤裕喜被告(21)=同市=の裁判員裁判が28日、甲府地裁(三上潤裁判長)であった。被告は被告人質問で「普段から疲れていて家から逃げたかった。夫婦の長女からの(交際を断る)LINEが後押しした」と、事件の動機を初めて自らの言葉で語った。
14日の被告人質問では、事件当時の行動や動機を尋ねられても、被告は下を向いて黙ったままだった。この日は受け答えに積極的な姿勢を見せた。証言用のマイクをつついて音が出ることを確認。質問に対して「正確には」と切り出して説明した。
まず弁護人の質問があった。母親に暴言を吐かれたり、就職先を決められたりしたことを振り返り、「逃げたかった」と述べた。そんな中、同じ定時制高校の生徒会同士で、一方的に好意を寄せていた長女にLINEで交際を断られ、絶望感と怒りが湧いたという。
「交際を断られて」気持ちが限界に
当時の心境は「限界が100…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル