茨城県で起きた一家殺傷事件をめぐり、殺人容疑で逮捕された容疑者の近所に住む市議会議員を名指しし、「容疑者の親戚」だとするうその情報がまとめサイトなどを通じて拡散した。市議本人への中傷のほか、家族が経営する会社への電話が相次ぎ、市議は対応に追われた。なぜ真偽を確認せずに情報を拡散したのか。サイト運営者の言い分も聞いた。
「誤情報、あっという間に広がった」
中傷を受けたのは埼玉県三郷市の岡庭明市議(82)。茨城県警が殺人容疑で7日に逮捕した岡庭由征(よしゆき)容疑者(26)と同姓で、同じ地区に住んでいる。岡庭市議は「(容疑者の逮捕状を取ったという)ニュースが報じられた7日昼から、誤った情報があっという間に広がった」と振り返る。
異変に気づいたのはこの日の夕方だった。
市役所から事務所に戻ると、同じ建物に入る長男が経営する会社に対し、容疑者との関係について報道機関から問い合わせがあったと伝えられた。そこで初めて、容疑者が市議の「おい」や「孫」だとする情報が、市議の写真とともにまとめサイトに掲載されていることを知った。サイトには「火消しに市議は大忙し」「辞職しかない」などと記されていた。
会社には7日午後から「市議は殺人犯の親戚なのか」「容疑者は社長の息子なのか」と問い合わせる非通知の電話がかかるようになっていた。「最初は落ち着くまでしょうがないかと考えていた」と岡庭市議は言う。
だが、周囲の目も普段と違う…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル