走行中の京王線の車内で乗客が男に襲われ、17人が重軽傷を負った事件から7日で1週間。浮上した主な課題は、車内の状況把握と迅速な避難の二つだ。逃げ場のない「密室」でどうやって犯罪を防ぎ、乗客の被害を最小化するのか。国や鉄道会社は対策の拡充を急ぐが、課題は多い。(小川崇、磯部征紀)
事件では、車内にいた乗客によって非常通報装置と非常用ドアコックの操作が複数箇所でなされていたことが、明らかになった。
事件があった京王八王子発新宿行きの特急電車(10両編成)は、10月31日午後7時54分に調布駅を出発。その2分後に4号車で通報装置が押された。車掌が対応したが乗客の応答はなく、運転士に連絡した。
その1分後にはさらに三つの車両で通報装置が押されたほか、非常用ドアコックが操作された。運転士は運転席の仕切り扉を乗客からたたかれて異常を感じ、通過予定だった国領駅での緊急停車を判断。車掌も乗客から「刃物を持った人がいる」と聞き、指令所に連絡した。指令所の指示で国領駅の係員はホームへ急行。警察と消防にも通報した。
電車は同58分に国領駅に緊…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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