警察庁の露木康浩長官は21日の定例記者会見で、一連の広域強盗事件について、メンバーが緩やかに結びつく「匿名・流動型犯罪グループ」による犯罪と位置づけ、取り締まりを強化する考えを示した。「構成員がはっきりしている暴力団を中心に据えてきたこれまでの組織犯罪対策のあり方を転換させるほどのインパクトがある」と述べた。
一連の事件では、「闇バイト」に募集した若者らが実行役として、フィリピンを拠点にした「ルフィ」などと名乗る特殊詐欺グループ幹部らが指示役として摘発された。露木長官は「緩やかな結びつきで離合集散を繰り返すグループを対策の中心に据えなければならない状況が、捜査で明らかになった」と指摘した。
露木長官は今年1年を振り返り、4月に和歌山市で岸田文雄首相に爆発物が投げ込まれた事件を挙げ、「大きな反省材料となった」と述べた。昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件も教訓に、組織に属さない「ローンオフェンダー(単独の攻撃者)」の対策が課題だと指摘。銃の密造方法を公開しているサイトなどへの対策を含む銃刀法改正案を、次の通常国会に提出する考えを示した。(編集委員・吉田伸八)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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