「小さなことです」と匿名希望 小学校に本800冊寄贈

 津波で被災し、震災遺構となった仙台市若林区の荒浜小学校の一室に、今年春から、東日本大震災にかかわる本800冊が並べられている。宮城県大崎市の会社経営者の男性(70)が個人でこつこつ集め、寄贈した。「震災を風化させないで」と、本棚で手にとる人を待っている。

 もとは5年1組だった4階の交流活動室。並ぶのは写真集、原発問題の本、地域の記録誌や絵本など、様々な分野にわたる震災関連書籍だ。貸し出しはしないが、自由に閲覧できる。

 寄贈した男性は、震災で自宅などの被害はなかったが、南三陸町の被災者らと交流を続けてきた。本を集め始めたのは、将来のことを考えたからだという。

 被災した人は、しばらく震災の本を読む気にはならないだろう。でも時がたてばきっと、調べたいという人は出てくる。子どもたちが自分の街で起きたことに関心を持つかもしれない。そのとき手軽に資料を探せる場所が必要だ。震災の風化を防ぐためにも――。

 新聞に載った書評記事や広告を…

【10/13まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment