土居恭子
警察官約20人が見つけられなかった行方不明の男児を、その鋭い嗅覚(きゅうかく)で約1時間で見つけ出した警察犬コンビに、神奈川県警大和署から表彰状が贈られた。表彰は1カ月間で2度目。2日にあった表彰式で、アルとアサヒは副賞のビーフジャーキーをもらい尻尾を振って喜んだ。
「玄関にランドセルが置かれているが息子が帰ってこない」――。5月24日午後10時ごろ、綾瀬市に住む小学4年の男児の父親から110番通報があった。すぐに署員約20人で自宅周辺を捜索。しかし見つからず、出動要請を受けた2頭が日付が変わった翌日午前2時45分から捜索に加わった。
男児の運動靴の匂いをかがせ、捜索を開始。空気中に漂う男児の匂いをたどって歩いた。約1時間後、アルが自宅から約100メートルの路上を歩いている男児を発見。男児にけがはなく、無事に家に帰った。
署によると、男児は、父親から「早く帰ってきてね」と言われていたため、遅くなったことを怒られると思い帰宅できなくなっていた。捜索した父親や警察官が周辺を歩くたびに身を隠しており、人の目では見つけられなかったという。
5歳のラブラドルレトリバーのアル(オス)と、4歳のジャーマンシェパードのアサヒ(メス)は、家出した小学6年の男児を見つけたとして、5月18日に鎌倉署に表彰されている。(土居恭子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル