武田肇
旧日本軍の慰安婦をモチーフにした「平和の少女像」が24日、京都市内で1日限りで展示された。妨害行動を警戒して事前に告知されず、主催者が募った約40人だけが鑑賞した。
展示は市民団体「女性国際戦犯法廷ハーグ判決を実現する会」の集会の一環。当初は別会場であった「平和のための京都の戦争展」で展示予定だったが、「安全確保が困難」との意見が出た。その後に確保したこの日の会場からも、開催場所を非公表にすることなどを求められたという。後日、集会の様子とともに動画配信することを検討している。
像は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止となった企画展「表現の不自由展・その後」に出展された。像などを集めた展覧会は16~18日に大阪市で開催されたが、東京都内で延期、名古屋市では事実上の中止となった。
主催者に協力した奥村一彦弁護士は「いびつな形での開催となったのは残念だが、少人数でも見てもらうことに意味があると考えた。歴史と向き合う契機となる『少女像』の展示を安心してオープンにできる社会ではないのが現状だ」と語った。(武田肇)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル