就労ビザを取得できない就職先を紹介されたうえ、手数料にあたる金銭をだましとられたとして、ベトナム人留学生7人が12月16日、都内の一般社団法人とその代表を相手取り、不法行為にもとづく損害賠償など、計514万8000円をもとめて、東京地裁に集団提訴した。
●就労ビザのために就職活動していた
訴状などによると、原告のベトナム人たちは、将来的に日本で働く目的で、留学ビザで来日して、日本語学校や専門学校に通っていた。
卒業までに就職先が見つからなければ、留学ビザが切れることから、原告たちは2018年から19年にかけて、卒業後に就労できる在留資格を得るために就職活動をしていた。
そんなときに、口コミやフェイスブック上で、東京・中央区にある一般社団法人の存在を知った。
連絡をとったたところ、法人から「在留資格を取得できる会社を紹介して、内定を保証する」という説明をされて、同法人の「就職訓練コース」に入会し、10万8000円を支払ったという。
●「在留資格を取得できないような就職先を紹介された」
ところが、実際には、就職訓練コースには、面接の練習や授業などはなく、事前にくわしい労働内容や労働条件を聞かされることもないまま、すぐにさまざまな企業との面接をセッティングされたという。
さらに、内定が出た場合も「内定成功コース費用」として、追加の10万8000円を支払わされた。しかし、内定先の業務内容と留学中に学んだ内容がまったく関係ないため、在留資格がおりない人がいたという。
原告たちが、法人側に対して、返金するようもとめたところ、一部の留学生には、別の企業を新たに紹介したことはあるが、返金には一切応じないまま、最終的に音信不通になったそうだ。
●ベトナム人「とても悲しい」
原告たちは、法人側がおこなっていたのは、実質的に「有料職業紹介」にあたるとして、(1)職業安定法上、有料職業紹介事業者は、どんな名目でも求職者から手数料をとってはいけないにもかかわらず、(2)労働条件なども明示せず、(3)学校で学んだ内容とまったく関係ない職業を紹介した――と主張している。
原告とその代理人が提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。原告の1人で、現在、就職活動中のタンさんは「だまされて、とても悲しいです。同じようにだまされた外国人が何人もいます」「裁判所に公平な判断をしてほしい」と話していた。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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