部落問題やハンセン病患者、自死遺族、LGBT(性的少数者)ら差別に苦しむ人々の声を伝えてきた月刊誌「ヒューマンライツ」が、7月で400号を迎える。約30年間、誰もが生きやすい社会の実現を訴え続けてきた。編集者らは「差別の実態から目を背けず、もっと議論を深めよう」と話している。
400号は「届け! 被差別の声」をテーマに掲げる。識字率の低かった被差別部落の教育改善に取り組んできた大阪教育大名誉教授の森実さんや、「大きな声で『部落』を話そう!!」の活動をしている若手の潮﨑識衣(のりえ)さんらの実践を特集する。
同誌は、来年3月で創立100周年を迎える全国水平社の流れを引く一般社団法人部落解放・人権研究所(大阪市港区)が、1988年4月に創刊した。
70年代、被差別部落の所在地を記した図書「部落地名総鑑」を全国の企業約220社が購入し、就職差別をしていた事件が発覚。企業の人権教育の高まりを受け、83年に実践例などを紹介する「社会啓発情報」を隔月で発刊したのが前身だ。5年後、世界人権宣言40周年に合わせて改題し、月刊誌となった。
創刊にあたり、当時「部落解…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル