自身のツイッターで殺人事件の遺族の心情を害する投稿をしたとして昨年3月に処分を受けた仙台高裁の岡口基一裁判官(53)について、同じ遺族が25日に都内で会見を開き、「フェイスブック(FB)で再び中傷された」として抗議したことを明らかにした。
遺族は「投稿されたのは娘の命日。悲しみと悔しさで頭が真っ白になった。裁判所には迅速に対応してほしい」などと訴えた。
遺族は2015年に東京都内で女性が殺害された事件の両親。岡口氏が今月12日、自身のFBに「遺族は東京高裁に洗脳されて(自分を)非難している」という趣旨の投稿をしたことを受け、21日付で仙台高裁に文書で抗議した。
国会の裁判官訴追委員会にも、裁判官の罷免(ひめん)(免職)権限がある国会の裁判官弾劾(だんがい)裁判所への訴追を求める請求をしたという。
岡口氏は東京高裁判事だった17年12月、同高裁が裁判所サイトに載せた、内規に反する内容を含む事件の判決文のリンク先をツイッターに添付。遺族への配慮を欠いた投稿をしたとして、昨年3月に同高裁から厳重注意処分を受けた。
岡口氏はすでに今回の投稿を削除し、FB上で「使うべき表現ではなかった」と謝罪した。自身のブログでは「悪いのは判決書を載せた高裁ではなく、リンクを貼った私だという考えに変えられたのではと疑い、『洗脳』と表現した」という趣旨の説明をしている。
仙台高裁は「事実関係を確認中でコメントできない」としている。(北沢拓也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル