「差別や排斥ではなく思いやりを」安倍首相、感染者や医療関係者への偏見について訴え(ハフポスト日本版)

安倍晋三首相は5月4日、記者会見を開き、緊急事態宣言の5月31日までの延長を表明。感染者や医療従事者への差別や偏見が続いている状況について危機感を示し、「あってはならない」と訴えた。

記者会見で、安倍首相は「感染の恐れを感じながら様々な行動制約のもとでの生活は緊張を強いられるものです。目に見えない強い恐怖を感じる。これは私も皆さんと同じです」と語り、こう指摘した。

「しかし、そうした不安な気持ちが他の人への差別や、誰かを排斥しようとする行動につながることを強く恐れます。それはウイルスよりももっと大きな悪影響を私たちの社会に与えかねません」

また、「誰にでも感染リスクはあります」としたうえで、「感染者やその家族に偏見を持つのではなく、どうか支え合いの気持ちを持っていただきたいと思います」と呼びかけた。

さらに、医療現場で働く人々や家族への差別や偏見についても「決してあってはならない」と強調。

「医師、看護師、看護助手、そして病院スタッフの皆さんは、そのような感染リスクと背中合わせの厳しい状況のもとで、強い使命感を持って今この瞬間も頑張ってくださっています」と指摘。「心からの敬意を評したいと思います」と語った。

安倍首相は、スーパーや薬局、介護や保育の現場で働くエッセンシャルワーカーについても言及。

「私たちの暮らしを支えてくださっている皆さんへの敬意や感謝、他の人たちへの支えあいの気持ち、そうした思いやりの気持ち、人と人との絆の力があれば、目に見えないウイルスへの恐怖や不安な気持ちに必ずや打ち勝つことができる。私はそう信じています」と両手を組むような仕草を見せながら訴えた。

「コロナの時代の新たな日常を」

緊急事態宣言の延長は全国が対象となる。

ただし、5月14日をめどに、地域ごとの感染者数の動向や医療現場の状況を見ながら、期間満了を待たずに緊急事態宣言を解除することもあり得るという。

安倍首相は、緊急事態宣言の延長について「お詫び申し上げたい」と述べ、「中小小規模事業者が休業などによってこれまでになく厳しい経営環境に置かれている苦しみは痛いほどわかっています。こうした中でさらに1ヶ月続ける判断をしなければならなかったことは断腸の思いです」と語った。

また、新型コロナウイルスの存在を前提とした生活様式の必要性を、「新たな日常」という言葉を繰り返し用いて訴えた。

「ある程度の長期戦を覚悟する必要がある」としたうえで、「コロナの時代の新たな日常を1日も早く作り上げなくてはいけない」と表明。

3つの密を避けたうえで、「人との距離を十分に保ち、マスクを着用する。予防対策を講じながら外出できる日常を専門家のアドバイスをもとに取り戻していく」と語り、「外出それ自体が悪いわけではない」と強調した。

中村 かさね (Kasane Nakamura)

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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