首相秘書官だった荒井勝喜氏による性的マイノリティーへの差別発言を受け、性的マイノリティーの子どもをもつ親が26日夜、オンラインによる記者会見を開いた。「性的マイノリティーの子どもたちの多くが、深刻な差別によって苦しんでいる。命を絶ってしまう人たちもいる」と訴え、明確に「差別の禁止」を規定した法律の制定を求めた。
同性愛者やトランスジェンダーなど性的マイノリティーの子どもをもつ親の有志(14家族)が全国から集まった。岸田文雄首相は「LGBT理解増進法案」の提出に前向きな姿勢を示しているが、有志は「まず『差別をしてはならない』という基本的なルールを整備してほしい」と指摘。近く政府に対し、「性的指向や性自認を理由とする差別的取り扱いをしてはならない」と禁止規定を盛り込んだ法律の制定を求める要望書を提出する。3月5日までインターネット(https://forms.gle/MguVSvHGDUtG8aVc7)で要望書への賛同を募っている。
差別発言 「もう限界」
呼びかけ人の1人で、同性愛者の子どもがいる愛知県在住の松岡成子さんは、度重なる政治家の差別発言を聞く度に当事者の若者から「しんどい」という声を聞いていたが、「おろおろ心配することしかできなかった」と打ち明ける。ただ、性的少数者や同性婚をめぐり、「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「見るのも嫌だ」といった今回の荒井氏の発言は、「誰かの命を奪うトリガー(引き金)になりかねない。もう限界だと感じた。差別をする大人がいるなら、差別を止めようとする大人もいることをちゃんと表明すべきではないかと思った」と話す。
会見に参加した親からは、差別禁止を求める切実な声が上がった。
「我慢、わがまま」ではない
福岡県に住む参加者の子ども…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル