野城千穂、佐藤達弥
NHKは、10日放送のニュースでウクライナからの避難者のインタビューにつけた字幕が不的確だと指摘を受け、見逃し配信で修正したことを明らかにした。
10日のニュースでは、日本在住のウクライナの子どもらが語学や文化を学ぶ東京都内の「日曜学校」に、ロシアの侵攻を受けてウクライナから避難してきた人が参加したことを紹介。その中で、ザポリージャから日本に避難してきたという女性が話す音声つきの映像に「今は大変だけど 平和になるように祈っている」と日本語字幕を付けた。
朝日新聞が確認したところ、音声ではロシア語とウクライナ語を交えて「私たちが勝つと願っています。ウクライナに栄光あれ」と話していた。
NHKによると、インタビューは取材現場にいた日本語が分かるウクライナの人の協力で行い、放送前に表現を確認した上で字幕を付けた。しかし放送後に「より的確な表現があるのではないか」と指摘を受け、見逃し配信サービスの「NHKプラス」では放送5日後から「翻訳をより的確な表現に改めました」と明記した上で「いまは大変ですが勝利を希望しています ウクライナに栄光を」との字幕に変えた。
正籬(まさがき)聡・メディア総局長は20日の会見で「訳というのは逐語訳もあれば色々な訳がある」とした上で「NHKとして確認を行ったが、発言の内容をより的確に伝える必要があったと受け止めてNHKプラスで改める対応を取った」と説明した。(野城千穂、佐藤達弥)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル