「平和の種、全国に届けて」 沖縄の日本復帰51年を前に県民大会

棚橋咲月 比嘉展玖

 沖縄が日本に復帰して15日で51年になるのを前に、沖縄県宜野湾市で14日、「平和とくらしを守る県民大会」が開かれ、基地のない沖縄と平和を求める大会宣言を採択した。宣言では、政府が敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や、大幅な防衛費の増額を決めたことを強く非難。「基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるために力を尽くす」と強調した。

 主催者発表で1400人が集まった。大会は1978年に始まり、コロナ禍で中止になった2020、21年を除き毎年開催されてきた。

 実行委員会共同代表の比嘉京子県議(72)は「平和の種を一人一人が持ち帰り、全国に届けてほしい」と呼びかけた。

 参加した沖縄市の大浜節子さん(76)は「基地をめぐる状況はますますひどくなっている。朝早くから夜遅くまで戦闘機のものすごい爆音で、テレビが見えなくなったり声が聞こえなくなったりする」と話した。「戦後78年経って戦争前夜と言われ、沖縄がまた『捨て石』にされるのではないかと不安だ。若い人たち、県外の人たちに沖縄の声を聞いてほしい」と願った。

 東京都練馬区の坂口美日(みか)さん(62)は10年前から参加を続ける。「県外からの若い参加者が増えた印象で、うれしい。それだけ危機意識が高まっているのではないか」と話した。前日にあった平和行進では、仲間と合唱をしながら歩を進めた。「5月15日前後は沖縄の置かれた現状について知る貴重な機会。これからも耳を傾けて、考えていきたい」と語った。(棚橋咲月、比嘉展玖)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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