講演録「憲法九条は世界遺産」(かもがわ出版)を9月に出版した、自民党元幹事長で自民党の派閥「宏池会」名誉会長の古賀誠さん(78)に10月29日、共同通信が単独インタビューしました。国会での憲法論議の必要性を認めながら、安倍晋三首相が目指す憲法9条改正に対しては、1940年生まれで、父親をフィリピン戦線で亡くし、戦争の悲惨さ身をもって知る一人として真っ向から反対しています。出版に際しての思い、ポスト安倍をめぐる政局論、強い信頼関係にあった野中広務、加藤紘一両元幹事長の思い出も語ってくれました。
インタビュアーは、現在宏池会担当の阪口真平記者、与党クラブの関陽平サブキャップ、10年以上前に宏池会を担当した西野秀編集委員の3人。3回続きです。
■野中氏引き継ぎ講演、著書「憲法九条は世界遺産」出版へ
―著書「憲法九条は世界遺産」が9月、出版されました。安倍首相が、参院選勝利を受けて、改憲の意欲を示した直後の、絶妙のタイミングでしたね。
「僕はそういう政治的な思惑を持って、あの本を出版したということは、一切ないですよ。たまたま、野中先生が4年か5年前に、今回、僕が講演した兵庫県保険医協会と親しく、講演をなさっていた。野中先生が2018年1月に亡くなられたので、その団体の何人かが、追悼もかねて、古賀誠の話でも聞こうかということだったようだ」
「そういう経過から、話があって、40~50分ということだったから、野中先生が出られた会で、野中先生の追悼を兼ねているなら、『私でよければどうぞ』と引き受け、18年の7月に講演した。その時たまたま、『憲法九条は世界遺産』を出すことになる、かもがわ出版の人が聞きに来ていたんですよ」
―かもがわ出版は京都で、しばしば政権に批判的な本を出している出版社です。
「講演が終わって1カ月ぐらいしてからかな。うちの秘書に『講演内容を文章にして出版させてもらえないか』と了解を求めてきた。別に悪いことでもないし、僕は講演では、いつも言いたいことを言い、伝えたいことを話している。出版した方が、かえって世間の目に留まるかもしれないと思い『いいよ』と。変な話だけど『印税なんかも一切必要ありませんよ』って。どうせ売れもしないだろうという判断で出版してもらった。本として出すつもりで書いたわけでもないし、お話をしたわけでもない。そういう経過であの本は出版させていただいた。これが本当の経過です」
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース