赤ちゃんが産まれる前、そして産まれた後の家族の姿を記録に残しませんか。写真家の藤代冥砂(めいさ)さん(54)がSNSでそう呼びかけ、62組の産前産後の家族を撮った写真集「NOW&THEN」(光文社)が今月、出版された。「幸福とはシンプルなもの」。藤代さんは自らのカメラがとらえた家族の様子をそう表す。
藤代さんが産前産後の写真を撮るきっかけになったのは約5年前。東日本大震災の直後に移住した沖縄で、友人夫婦が初めての子どもを授かった。なかなか子どもができず、不妊治療をしていた。お祝いに臨月の妻と夫を撮影し、出産後に沖縄の同じ場所で夫婦と赤ちゃんの3人を撮った。
藤代さん自身、長男を妊娠しているときの妻を撮影したが、夫婦で納まった写真はなかった。「私は、結婚して1から2になったときより、子どもが生まれて2から3になったときのほうが絆が強まり、責任も生まれた。その前後の姿を対比して写真に残すことで、家族の物語を記録したかった」
その後、もう1組、別の夫婦…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル