増山祐史
殺人や強盗などの凶悪事件を担当する警視庁捜査1課の課長に、国府田剛(こうだつよし)・鑑識課長(58)が20日付で就く。就任を前に臨んだ15日の記者会見では「捜査1課はプロ集団。日常生活を脅かす犯罪者を絶対に許さず、あらゆる捜査手法を駆使して徹底的に検挙していく」と決意を語った。
神奈川県茅ケ崎市出身。刑事だった父に憧れ、「正義の味方である刑事になりたい」と自然と警察官を目指すように。大卒で1987年に入庁。95年の地下鉄サリン事件では特別捜査本部に加わり、松本サリン事件や坂本弁護士一家殺害事件の捜査にあたった。
原点となる事件がある。原宿署の巡査だった20代のころ、中華料理店で中国人従業員が更衣室から失踪したとの通報が入った。事件性の有無の判断を迷っていた矢先、誘拐犯から身代金を要求する電話が入った。女性は無事に保護されたが、「一歩間違えたら殺されていた。全ての事件を大きく構え、迅速に動かなくてはいけない」と誓った。
捜査1課でのキャリアはない。鑑識課で検視官だった2013年に土石流に襲われた伊豆大島で多くの遺体に向き合い、組織犯罪対策総務課では犯罪収益の出どころを隠すマネーロンダリングを担当した。マネロン捜査では金品が絡む強盗事件への応用が求められ、「多角的な捜査、アプローチができる」と自負する。
現在捜査が進む全国各地で発生した一連の強盗事件では、フィリピンから強制送還された男4人の関与が疑われている。「警視庁の各課、各部、全国警察と連携をとって首魁(しゅかい)まで一網打尽にできるような捜査を推進していく」と話した。(増山祐史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル