「広島で命のあり方考えて」 イラストレーター・黒田征太郎さん

 いま世界には約1万3千発の核弾頭が存在します。ロシアのウクライナ侵攻によって、実戦で使われる恐れまで浮上しました。そんな中、今月に被爆地・広島で開かれる主要7カ国首脳会議G7サミット)では、「核兵器のない世界」が主要なテーマの一つになります。その道筋をどう切り開くのか。G7首脳らへの注文を、さまざまな方々に語っていただきます。

 平和を意識する原点は自分の戦争体験にあります。戦時中、国民学校で教育を受けた最後の世代にあたります。当時暮らしていた兵庫県西宮市空襲に遭いました。家に爆弾が落ち、屋根から床下まで貫通。不発弾だったため、今まで生きることができています。

 「火垂るの墓」の作者、野坂昭如さんと出会ったことをきっかけに、戦争のことを人に話すようになりました。第2次世界大戦はドイツのポーランド侵攻で始まりましたが、現地を見ようと両国を訪れ、アウシュビッツ強制収容所などを見て、人の命について考え始めました。

 そして、2004年からはアートで核兵器廃絶を訴える「ピカドンプロジェクト」を始めました。世界各地でアーティストが即興で絵を描き、音楽を演奏する。「ピカドン」の絵を描くと、人が集まって「何を描いているのか?」としきりに聞いてきます。反応を見ていると、世界への訴求力はあったと思います。

 各地で絵を描きながら感じて…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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